2009年12月20日日曜日

人間が地球にできること -自主的な行動は期待できるか-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第54号

           2009年12月20日(日曜日)


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【今日の記事】
Gipfel-Desaster: Oberster Klimaschützer verdammt Tatenlosigkeit

Wertvolle Zeit, sinnlos vertan: Der Chef des Uno-Klimarats geht
nach dem Gipfel in Kopenhagen hart mit den Staatenlenkern ins
Gericht. Das umstrittene Abschlussdokument enthalte keine einzige
konkrete Zahl, die Politiker hätten den Ernst der Lage wohl noch
nicht begriffen.

2009-12-20 01:28
SPIEGEL ONLINE - Schlagzeilen - Topmeldungen [rss]


【訳例】
サミット失敗:環境保護のトップは行動のなさを非難

価値ある時間を無駄に過ごした:国連環境理事会の代表は、コペンハーゲンの
サミット後、厳しい口調で各国首脳を非難した。争点の決議資料にはひとつと
して具体的な数値が含まれておらず、政治家は事の重大さをまだ理解していな
いようだ。


【補足解説】
今回のコペンハーゲンでのCOP15は、国連環境理事会IPCCの「2」と
「750」という二つの数字のために130カ国の首脳が集まって、地球温暖
化を防止しようとしたのです。

「2」と「750」というのは、地球の温度上昇を2度以内に抑えることで、
つまり、人類が最大750ギガトンの温暖化ガス排出にとどめるということな
のです。

サミットの最終局面で、科学者がコペンハーゲン合意に何とか成果を盛り込も
うとがんばった結果が、2度目標と排出量削減遵守のためのものさしができ
たこと。2度目標は政治的に認知されたこと、排出量削減遵守の方は、中国
の意見が取り入れられなかったことが重要だったといっています。

しかし、具体的な数値の合意に至らなかったことは重くのしかかります。IP
CC代表は、時間の浪費を非難するのみにとどまらず、一年決定が遅れるたび
に気候変動防止に掛かる費用がとんでもなく膨れ上がっていくと発言しました。

発言はそれにとどまりません。「インドは、コペンハーゲンでの合意ムードを
一変させる危険な行動をした。先回のバリでの会議では、全体に問題を解決し
ようという前向きな雰囲気が醸成されていた。それが、今回は根底から覆され
てしまった。」

その原因は、米国と中国にあるといいます。オバマさんはなかなか決まらない
温暖化法案よりも国内の政策を優先させなければならないし、中国は、いま次
の5ヵ年経済計画に集中しなければならないという事情です。

ですから、来年世界経済の状況が改善すれば、環境議論も前進することに期待
しているのです。中国は排出ガス削減をほのめかしました。

会議が紛糾する中で、192カ国が参加するマンモス会議ではなく、新しくも
っと効果的な議論のできる会を作るべきだとの意見がでました。しかし、IP
CCのパチャウリ代表は、「他の方法は考えられない。気候変動は、地球全体
の問題であり、全員の合意がなければ解決できないのだ。」と、反対していま
す。しかも、どうやってその費用を賄うかが重要なので、全ての国が参画しな
ければならないのだと。

パチャウリさんは、実現するまで政治家への働きかけをやめないといっていま
す。これまでどおり気候変動の実態を訴え続け、行動を促す覚悟です。

次のIPCC報告は2014年に作成される予定ですが、パチャウリさんは議
論の雰囲気をもう一度盛り上げて、コペンハーゲン合意をその年の内にも実行
に移せるようにしたいと考えています。

でもそれまで何もしないわけではありません。パチャウリさんは諦めません。
「クリスマス休暇が終わったらすぐに、拘束力のある目標設定に努める。さも
ないと、コペンハーゲンの議論がすぐに過去のものになってしまう。外交官、
政治家が消耗した会議を終えて、眠りから覚めるころには事の重大さが分かる
だろう。」

地球の環境はすでに非常に悪い状態にあるといいます。各国首脳は、実際の問
題が次の世代になって初めて顕在化すると勘違いしているかもしれないが、実
際には現職中に実際に体験することになるだろうと警告しているのです。

政治ショーと科学者の悲痛の訴え。悲惨な現実が実際に目の前に現れないと、
実感できないことってありますよね。
人間は、何のためにこの地球上に存在しているのか問われているようです。産
業化の推進は何を目標としているのでしょうか。できるだけ多くの人が自分の
こととして考えられるようにならないと、規則ができるまでは何もしない人だ
らけになってしまいますね。

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