2010年1月31日日曜日

ユーロ安の原因ギリシャ -まさに運命共同体-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第68号

           2010年01月30日(土曜日)


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ご訪問いただきありがとうございます。
おもしろい情報が提供できたら幸いです。


【今日の記事】
Währungsstabilität in Gefahr: Griechisches Trauma bedroht Euro

Noch ist es kein Flächenbrand: Die Überschuldung Griechenlands
bringt den Euro aber zunehmend unter Druck. Staatsanleihen
könnten ins Trudeln geraten.

2010-01-30 20:25
Topthemen / sueddeutsche.de [rss]


【訳例】
通貨安定性の危機:ギリシャのトラウマがユーロを揺さぶる

まだ火事が広がってはいない:ギリシャの大きな財政赤字がユーロをじわじわ
と脅かしている。国債が窮地へと追い込まれる可能性も。


【補足解説】
ギリシャの財政難からギリシャ国債の大量売りが発生しています。ユーロも金
曜日にさらなる危機にさらされています。否定はされているもののEUとして
はギリシャを支援するだろうとの憶測が流れているのです。

EU通貨理事・アルムニアさんはダボスの世界経済フォーラムでギリシャの破
綻危険はないとかユーロ圏からの離脱はないと対応しています。

一生懸命否定してはいるのですが、あまりに酷いギリシャの財政状態は、通過
同盟の機能を脅かしかねないほどのようです。2月に発表される予定の欧州委
員会メモランダム案によれば、「ギリシャの経済状態は大きな挑戦であり、長
期的に危険である」との表記があるようです。

ギリシャの問題が、他のユーロ圏国家に悪い影響を与えることのひとつに、自
国国債にいまより高いリスク保証金を支払わなければならないことがあります。

昔ならヨーロッパでは考えられなかった国家破綻が、あってもおかしくなくな
ったのです。ここ数日だけでもポルトガル、スペイン、アイルランドの国債が
損失を蒙りました。

EUはギリシャに対して援助はしませんからね、と言い続けてきたのですが、
ここにきて委員会はギリシャ国家財政をEU管理下におく提案をしたのです。

EU議員は委員会の提案を支持する意向です。

ドイツは、あくまでギリシャの自助努力による状況改善を主張しています。
ギリシャに支援が与えられた途端に、ポルトガルなどが同様の支援を期待する
恐れがあるからです。

ダボスでもギリシャ首相のパパンドロウさんは、自力で財政を立て直し、EU
に支援を求めることはないと発言し、フランスやドイツと資金提供の協議をし
ていないかの問いにはノーと答えています。

ギリシャはユーロ圏で最も財政赤字が大きく、2009年の財政赤字は12.
7%でした。赤字額はGDPの113%にまで膨れています。

いまギリシャの国債を買うのは、その高い利率のみを求める人たちで10年物
の利率は7.1%とドイツ国債よりも4%ポイント近くも高いのです。

このような状況がユーロ安の原因となっています。1ユーロは1.39ドル。
でもエコノミストの多くは通貨同盟の崩壊や国家破綻の可能性は低いと見てい
ます。ただし、最後にはギリシャがEUからの支援を受けるだろうと考えてい
ます。


【編集後記】
リーマンショックに象徴される今回の金融危機は、世の中を大きく変えるきっ
かけになるのではないでしょうか。そんな気がします。

このドイツ時事ジャーナルも回を重ねていますが、自分のやりたいことはどち
らかというと情勢分析なのだろうと思います。作業を続けつつ自問を繰り返す
日々です。でもそうしようと思うと作業そのもののやり方を見直さなければな
らないかもしれません。

もともとは、ドイツ語技能検定試験(独検)を受けることを思い立って始めた
のです。
生来の無精者なので、続けることを自分に科すために、そしてそれが誰かの役
にも立つなら一石二鳥ではないかと考えたのでした。独検は一級を受けました。
幸運にも一次試験を通過し、先日二次試験を受けてきました。

ドイツ語の学習に止まらず、趣旨のとおりドイツ目線のものの見方を伝えられ
るように改編するかもしれませんが、今後ともご愛顧ください。



最後までご覧いただきありがとうございました。

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