2010年1月30日土曜日

銀行貸し渋り -背に腹は変えられぬ?-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第67号

           2010年01月29日(金曜日)


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【今日の記事】
Kreditklemmen-Gefahr: Wirtschaftsbosse warnen vor neuer Finanzkrise

Die Konjunktur erholt sich nur langsam, jetzt erhöht
die Wirtschaftselite den öffentlichen Druck: Konzernbosse und
Vorstände drängen die Banken, mehr Kredite zu vergeben und
vorerst auf Boni zu verzichten - andernfalls drohe eine neue
Finanzkrise.

2010-01-29 15:59
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【訳例】
貸し渋り危機:経済界のトップ、新たな財政危機を警告

景況回復のテンポは遅い。いま経済界のエリートは批判を強める。:企業グル
ープや経営者たちは、銀行に貸出しを増やし、何よりまずボーナスを放棄する
よう迫った。さもないと新たな財政危機の恐れがある。


【補足解説】
ドイツではようやくリセッションを脱しつつあるのですが、失業率は上昇し、
大手としては初めてシーメンスが何千人もの解雇を決定しました。その他の企
業も続くものと思われます。

雇用状況泥沼化の原因は、企業側からすれば必ずしも企業側だけにあるとはい
えないと考えています。下手をすると新たな財政危機もあるため、政府や金融
機関に対応を要請しました。

化学大手のBASFも、新たな経済危機を心配し、回避のためには金融機関が
貸出しを再開し、企業側は過剰設備の整理をすることが必要だと述べています。

中には二番底などない。金融機関のリスクは想定範囲内で、状況は改善してい
くだろう、という発言もあります。

金融機関の態度が煮え切らないのには理由があります。予定されている新しい
自己資本規定によって、負担が大幅に上昇する可能性があるのです。所謂バー
ゼルIII規定が適用されると、欧州中の金融機関で最大3000億ユーロ
(約39兆円)もの資金が必要になるとの試算もあります。

この規定は2009年9月のピッツバーグ・サミットでG20首脳が合意した
もので、これは政府が金融機関のリスクを制限して、金融危機の予防策にしよ
うと考えたものです。27カ国の監督省庁や発券銀行が参画するバーゼル委員
会の提案は、検証後2012年末までに実現の可能性があります。

金融機関は、あまりに負担ばかりが大きくなることを恐れ、必死に規制を阻止
しようとしてるようです。


【編集後記】
景気を回復させるのに必要な血(お金)が十分に回らない仕組みになってしま
っているのですね。
いまの政治には、現場の分かる調整力が必要とされているように思います。で
も、国際化が進み、自国のことだけを考えれば済む時代は過ぎ、舵取りだけで
もたいへんな状況が伝わってきます。



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