2010年1月3日日曜日

政治のバランス -ライバルが全体を底上げする-

***********************************

            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第60号

           2010年01月02日(土曜日)


***********************************


あけましておめでとうございます。

ご訪問いただきありがとうございます。
おもしろい情報を提供できたらいいと思っています。

いよいよ新しい年が始まりました。
今年が皆様にとって昨年以上によい年でありますように!


【今日の記事】
CSU und SPD: Horst Gabriel und Sigmar Seehofer

Die Chefs der beiden einst stolzen Volksparteien CSU und SPD
kämpfen 2010 ums politische Überleben - mit identischem Rezept.
Doch um ihre Probleme wirklich zu bekämpfen, müssten Horst
Seehofer und Sigmar Gabriel mehr Mut beweisen.

2010-01-02 20:00
Topthemen / sueddeutsche.de [rss]


【訳例】
CSUとSPD:ホルスト・ガブリエルとズィーグマー・ゼーホーファー
(注:それぞれの党首だが、実際はホルスト・ゼーホーファーとズィーグマー・
ガブリエル)

それぞれ立派な国民政党、CSUとSPD、の党首は、2010年政治的生き
残りを賭けて戦う。対処方法は同じである。本当に問題と取り組むつもりなら、
ホルスト・ゼーホーファーもズィーグマー・ガブリエルももっとやる気を見せ
なければならない。


【補足解説】
ズィーグマー・ガブリエルさんとホルスト・ゼーホファーさんが何か一緒にし
たいってわけじゃありません。立場が違いますからね。仮にも与党の一角を占
めるCSUと、野党になったSPDですから。

立場は違うんですが、政治的生き残りを賭けて戦っているのは共通しているん
です。しかもやりかたが一緒!

テーマからテーマへ忙しく議論し、自分のアイデアの洪水の中で勝手に負けて
しまうのです。そのやり方を見ていると、二人はまるで双子のようだと思える
ほどです。二人がそれに気付かないと2010年は二人にとって厳しい年にな
るでしょう。

メルケルさんとヴェスターヴェレさんのコンビは、夢のパートナーと自分たち
でも言ってるくらいですが、出鼻をくじかれてはいるものの周囲の注目を集め
ていますね。きっと今年もそれは変わらないことでしょう。

でも、ドイツの政党システムが正常に機能していくには、SPDとCSUにま
たしっかりしてもらわにゃならんのです。

政治にもバランスが必要で、そのバランスを保つためにSPDもCSUも重要
な役割を果たさなければならないので、このまま崩れてもらっては困るのです。

お二人ともこのごろモチベーションを高めようとし始めたのは、どうやら問題
点が分かっているからなのかもしれません。政党に新たな勇気をもたらさなき
ゃなりません。

どっちの政党にも、党首たるもの派手に振舞い、論争に突入していくべし、と
いう意見もあるようですね。少なくともこれまではそれで良かったのかもしれ
ません。

でもメルケルさんが登場してからは、状況が変わってしまいました。どんな場
所へもかまわず飛び込み、サッカー選手を励ましたり、追悼の手紙を送ったり、
だれかれかまわず話しかけたりというのは一緒なのですが、メルケルさんはそ
ういうことを穏やかに、しかもよそよそしくなくやれるんです。

それと比べると、ゼーホファーさんもガブリエルさんも昔かたぎのおっさんた
ちのようですね。

それを変えたければ、お二人とも根性を見せなければなりません。ガブリエル
さんは本質のテーマだけに集中して、政治的情熱を1つか2つの熱い主張と結
びつけることができたら、メルケルさんと対等な立場に立てるのではないでし
ょうか。

ゼーホーファーさんは、バイエルンLB銀行のスキャンダルを新しいスタート
を切るのに利用しなきゃなりません。CSUはもともとの、一生懸命で、まと
もで、信頼するに足る仕事をする政党に戻らなきゃなりません。

今までの得意技(だと思っていたもの)に頼っていてはいけないのですぞ。

政党を変えるにはまず自分を変えろってことですね。

0 件のコメント: