2010年1月20日水曜日

2010年予算審議 -雇用対策が最大の負担-

***********************************

            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第65号

           2010年01月20日(水曜日)


***********************************

ご訪問いただきありがとうございます。
おもしろい情報が提供できたら幸いです。



【今日の記事】
Haushaltsdebatte im Bundestag: Merkel rechtfertigt Rekordschulden

Wachstum geht vor Schuldenabbau: Kanzlerin Merkel hat im Bundestag
den Kurs von Schwarz-Gelb verteidigt. An den von der Koalition
geplanten Steuersenkungen will sie festhalten. Die Opposition
spricht von einer "haushaltspolitischen Katastrophe".

2010-01-20 18:53
SPIEGEL ONLINE - Schlagzeilen - Topmeldungen [rss]


【訳例】
連邦議会での予算審議:メルケルは記録的財政赤字を容認

赤字解消より成長優先:メルケル首相は連邦議会で黒・黄連立の道筋の正当性
を主張した。連立政権が予定している減税政策を堅持する意向。野党は「予算
政策上の大惨事」と非難。


【補足説明】
ドイツがこれほど財政赤字を膨らませたことはありませんでした。メルケルさ
んも経済の現状をごまかすつもりもないし、できるわけもありません。連邦議
会では、どうありたいかは明らかだが、それを実現するためにはまず現実をし
っかり認識する必要があると発言しています。その上で政府の予算政策の正当
性を主張しました。

賢く景気の谷から脱出するにはどうしたらよいのかが目下の課題であり、議論
百出はまちがいないところでしょうが、新しい考え方が必要になっているので
す。

今回の財政危機以前の状態に戻るのは2013年だと考えているようです。ド
イツの強味を十分に発揮することが重要で、とくに輸出国であり続けることが
必要です。決して赤字積上げを阻止するような政策を取ってはならないと主張
しました。

実際に2010年予算案を見ると、858億ユーロ(約11兆1千億円)の新
しい債務が計上されています。戦後最大の規模です。さらに145億ユーロ
(約1兆8千億円)の債務が陰の予算に組み込まれています。

メルケルさんは、この点についての説明は短く切り上げ、景気刺激意義の重要
性を詳しく説明しました。現連立政権は、ドイツの経済力を再生させ継続的な
成長へと導いて11月までに景気は上向くのだといいました。

一方で、メルケルさんは減税を掲げています。法令整備も含め、中小企業と家
庭の負担を軽減して、成長に貢献させるつもりです。

税収の行方は5月まで待たないとはっきりしません。5月にはノルトライン・
ヴェストファーレン州の議会選挙があります。税制改革は喫緊の課題で、経費
削減は継続的に行うということです。

SPDのシュタインマイヤーさんは、連邦議会の冒頭で2010年予算は「予
算政策上の大惨事」だと強く批判しました。「100日過ぎた今も、なんら改
善が見られない。裏切り行為ではないか。」と国営テレビ局のインタビューで
発言しています。

メルケルさんの演説を受けて、質問に立ったSPDのシャーフ議員は、これま
でを「失われた100日」だと評し、連立与党は内部調整に明け暮れ、将来像
を示していないと批判しました。

連邦議会での予算審議は4日間の予定で、金曜日までには全省庁の予算が確定
します。

政府の意思に基づいて、今年の国家支出は3254億ユーロ(約42兆3千億
円)となる見込みです。これは昨年比330億ユーロ(約4兆2900億円)
の増加です。

内訳で最大は労働・社会省の1468億ユーロ(約19兆円)、次いで金利負
担の404億ユーロ(約5兆2500億円)となっており、実に全予算の45
%が失業対策を中心とする支出に割かれることになります。

2010年予算は、秋に連邦議会選挙があったために成立が遅れているのです。
現在は、仮予算での運営となっており、正規予算の運用は、審議しだいではあ
るものの、3月から開始の予定です。




最後までご覧いただきありがとうございました。

0 件のコメント: