2010年2月12日金曜日

ギリシャの財政赤字 -一蓮托生のEUはつらい-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第70号

           2010年02月11日(木曜日)


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ご訪問いただきありがとうございます。
おもしろい情報が提供できたら幸いです。


【今日の記事】
Euro-Krise: Warum Deutschland für Griechenland zahlen muss

Die griechische Regierung plant auf Druck der EU ein extrem
ambitioniertes Sparprogramm - von dem allen Beteiligten klar
ist, dass es nicht funktionieren wird. Die Bundesrepublik wird
für die Schulden des Landes geradestehen müssen. Nur traut sich
niemand, das dem deutschen Steuerzahler zu sagen.

2010-02-11 19:21
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【訳例】
ユーロ危機:なぜドイツがギリシャに支援しなければならないのか

ギリシャ政府はEUの圧力を受けて、ものすごく果敢な倹約プログラムを予定
している。関係国にはそれが成り立たないことがはっきりわかっている。ドイ
ツはギリシャの債務に対し、まともに対応しなければならない。しかし、誰も
それをドイツ国民に言おうとしない。


【補足解説】
1800年から第二次世界大戦が終わるまで、ギリシャはずっと破綻状態だっ
たという米国のエコノミストの見解もあります。

簡単に数字をまとめると:
ギリシャは昨年GDPの13%近い財政赤字がありました。累積赤字がGDP
の120%にもおよぶのはEUでは最大で、まだ増えつつあるのです。今年4
月と5月に赤字の10%弱を再融資し、新しく国債を買ってもらわなければな
りません。

買ってもらうには、ギリシャの財政が問題ないことを示さなければなりません。
EUも強く要望してきています。
そこでギリシャが発表したのは、大胆な政策でした。

2013年までに赤字をGDPのわずか2%にまで減らす!??

4年間で11%ポイントも赤字を減らすと言うのですが、経済学的に前代未聞
のウルトラCです。

OECD加盟国では1990年代以降では、唯一スウェーデンがそれに近い成
果をあげた例があるだけです。当時はニュー・エコノミーのブームという環境
でしたから、いまとは大違いです。

こんな厳しい経済環境で、それが可能だと考える人は皆無でしょう。

ギリシャ人がよほど必死に倹約に努めない限り、状況改善は無理といってよい
ようです。
しかし、それを期待できない背景もあるのです。

ギリシャの国家財政赤字の4分の3は、外国投資家に支えられているのです。
2009年にはGDPの88%にあたるギリシャ国債が、外国投資家の所有で
あったとドイチェ・バンクは分析しています。

外国の投資家が持っている国債の支払いをするために、ギリシャ国民が何でせ
っせと節約しなきゃならないと考えたとしても不思議ではありません。扇動的
な政治家や労働組合などはこの手の材料を、ここぞとばかりに利用してくるで
しょう。

そういうやり方で国家破綻へと続いていく事例は、歴史の中に何度もありまし
た。ギリシャにどうやら自力再生の芽はありません。

ドイツをはじめ、財力のあるEUの国が、その財政赤字の一端を負担すること
になるのは間違いないでしょう。

どちらかといえば、そうしなければならないのです。さもないと、連鎖反応で
財政が破綻してしまう可能性があります。

関係する国は、自国民にそういう事情を包み隠さず伝えなければならないので
す。



【編集後記】
カニスィウス学校の虐待は、教師が殴っただけでは立件できないようですね。
「性的」虐待であることが証明できれば変わってくるのかもしれません。
宗教的事情は関係なさそうですね。70年代、80年代の件なので、すでに立
証自体が困難になっています。証拠不十分のまま時効のようです。

EUが厳しい状況にありますね。ユーロが対円でずいぶん安くなったままです。
このギリシャの件も大きく影響していますね。世の中は混迷を深めているよう
にも見えます。事実から目をそらさず、将来に備える姿勢を強くしたいもので
す。



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