2009年9月16日水曜日

新生オペルの船出 -生みの苦しみ-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第17号

           2009年9月16日(水曜日)


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【今日の記事】

Opel: Ärger für Käufer: VW und BMW machen mobil gegen Magna

Wenn aus Partnern Feinde werden: Bislang hat Magna für die Autokonzerne
VW sowie BMW gearbeitet - doch seit dem Opel-Kauf ist alles anders.

2009-09-15 23:30
Topthemen / sueddeutsche.de [rss]

【訳例】
オペル:買収者に怒り:VWとBMWがMagna対抗に動く

パートナーが敵になるとき:これまでMagnaはVWやBMWという自動車
会社のために働いていた。ところがオペルを買収してからは状況が一変した。

【補足解説】
オーストリア/カナダの自動車下請けMagnaは、やっとのことでオペルの
買収が決まり喜んだことだろう。しかし、息継ぐ暇なく次のトラブルが待ち構
えていた。Magnaの有力顧客であるVWだけでなくBMWも取引を考え直
すと表明したからだ。
何も具体的に動き出したわけではないが、同業者となったいま、競合に技術を
渡しかねない状況を憂慮しているというわけだ。

Magnaは現在BMWの小型オフロード車X3と部品を生産している。

VWからも社長のヴィンターコルンだけでなく、監査役会のフェルディナンド・
ピエーヒが「下請けが競合になるなんてわれわれは歓迎しない。」と明らかに
不快感を表す発言がなされている。

Magnaにとっては厳しい状況で、今後の計画にも悪影響を及ぼしかねない。
ドイツ政府が45億ユーロ(約5900億円)の貸付や保証を新生オペルに与
えるのだ。世界的なグループであるVWが対抗意識を持つというだけで、とて
も良い兆候とはいえない。

一方、Magnaヨーロッパ社長はVWや他の顧客が、オペル買収の場合、取
引をやめると主張していることを強く訴えていた。
Magnaは部品ビジネスを自動車ビジネスと明確に分ける予定だ。
Magnaヨーロッパ社長のヴォルフは組織的にも人的にも重複するところは
全くないと言明している。

問題は重要顧客との関係だけではない。アントワープ工場閉鎖の発表に対し、
オペル労組は閉鎖反対に向けて戦うと宣言している。9月23日にアントワー
プで、今後の対応を話し合うことになっており、最初の抗議行動が予定されて
いるとのこと。

Magnaヨーロッパ社長のヴォルフによると、アントワープが唯一閉鎖され
る工場らしい。そこでは2580名がオペル・アストラを製造している。
ヨーロッパで10,500名、ドイツでは4000名強とも言われる人員削減
は、まだ確定したわけではない。

オペルの買収候補に関して、従業員は初めからMagnaが良いと思っていた
が、労組は激しい議論がないわけではなく、「われわれはMagnaのファン
クラブじゃない」と言った。

オペル監査役会長であり、新生オペルの社長就任が決まっているカール-ペー
ター・フォルスターは、「Magnaおよび他のパートナーとの協力を歓迎し、
将来には期待ができる。」と述べた。

Magnaとロシアのスベルバンクの関係は良好で、長い間親会社であった
GMとの協力関係も重要だ。共同購買でコストを削減したり、研究開発費用を
確保したりするためだ。新規開発のAmperaは、さもなければ成功しなか
った。Amperaとは2011年末に市場投入予定の電気自動車である。

政治的にもまだ未解決の問題が残っている。ドイツとオペル工場のあるほかの
欧州国と融資分担について合意が成立していない。

これはドイツ政府関係者が他の欧州6カ国とベルリンで会合した折に明らかに
なった。ベルギーに続いてスペインも欧州委員会にドイツのオペル融資の調査
を依頼した。スペインも融資分担に反対している。

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