2009年9月12日土曜日

時短労働の影の面 -背に腹は変えられない?-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第16号

           2009年9月12日(土曜日)


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【今日の記事】

Abzocke bei der Kurzarbeit: Der große Schwindel

Wundermittel Kurzarbeit: Der Jobkahlschlag ist ausgeblieben - doch
der Erfolg hat Schattenseiten. Zunehmend tricksen und mogeln Unternehmen,
um an die großzügige staatliche Förderung zu kommen.

2009-09-12 01:55
Topthemen / sueddeutsche.de [rss]

【訳例】
時短労働の濫用:とんでもないごまかし

魔法の策、時短労働:仕事の伐採はせずに済んでいる。しかし、成功には影の
面も。あの手この手で大盤振る舞いの国家財源にありつこうとする企業が増え
ている。

【補足解説】
「仕事の伐採」とは失業者増ということだ。

連邦雇用庁は時短労働補助金を不正に申請した企業が増加していることを憂慮
し、連邦検察庁または税関に調査を依頼している。

不正懸念が多いのは、バイエルン州、バーデン・ビュルテンベルグ州、ノルト
ライン・ウェストファーレン州だということだ。これらの州は産業の立地が多
い州でもあるから、現在のドイツ雇用情勢が如何に逼迫しているかが分かる。

連邦雇用庁では、不正利用の実態を調査するために専門のチームを結成したよ
うだ。

多いのは、会社が時短労働を申請し、従業員はフルタイムで仕事をするという
ものだ。そうすると雇用者は給与の一部を雇用庁から補填される。もしくは、
休暇中または病欠の被雇用者のための給与補填を会社が横取りするというもの。
いずれの場合も犯罪行為である。

大概は内部告発による発見のケースが多い。これが重要で、雇用庁の人間が訪
問するときには書類が正しく調えられていることが多い。従業員が、強要され
てタイムカードを押してその後も仕事を続けたとしても、書類上では発見でき
ない。

政治家の中には、多くの従業員は職を失うのを恐れて黙っているのではないか
と考えるものもいる。一方で、内部告発の効果を疑問視する意見もある。雇用
庁は実際に補助金を支払い、それによって雇用が守られているという面も実態
としてあるというのだ。内部告発があるとするとサービス残業が強要されるよ
うなケースに限定されるという。

雇用庁の工数不足という問題もあり、即時対応のために大連立政権は時短労働
補助金の認可を大幅に簡略化したのだ。

時短労働を採用している5万社の調査はほとんど不可能で、把握できていない
ケースがかなりあると見られている。把握できていないケースがどれほどのも
のかは誰にも分からない。



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