2009年9月3日木曜日

厳しい現実

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第13号

           2009年9月3日(木曜日)


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【今日の記事】

Ende der Abwrackprämie: Die ganz große Illusion

Angela Keynes: Der Politik ist mit der Abwrackprämie ein kleines Wunder
gelungen - die Wirtschaft stürzte nicht so stark ab wie befürchtet.
Doch die Bundesregierung hat sich nur ein wenig Zeit erkauft. Schon
bald wird diese Krise mit voller Wucht auf die Hersteller durchschlagen.

2009-09-03 00:14
Topthemen / sueddeutsche.de [rss]

【訳例】
特別奨励金終了:途轍もない幻想

アンゲラ・ケインズ:政治的に特別奨励金は小さな奇跡を起こした。経済は恐
れていたほど酷く崩れなかった。しかし、連邦政府は少し時間稼ぎをしたに過
ぎない。まもなくメーカが経済危機の容赦ない攻撃の真正面に立たされること
になる。

【補足解説】
政治は幻想の芸術とも言える。現実を実際以上に良く見せるのがその真骨頂だ
という。アンゲラ・メルケルも例外でなく、大失業時代の到来を9月末の国政
選挙後に延ばすことができた。

景気刺激策へ数十億ユーロをつぎ込み、危機低減に効果を発揮し、その資金投
入の効果あって140万人が時短労働を行い、失業者にカウントされずに済ん
でいる。大手企業の人事担当に聞くと、解雇を総選挙の後まで引き延ばしたと
いう声もある。問題が解決されたわけではないのだ。

その幻想の最大たるものが、乗用車購入の特別奨励金だった。2500ユーロ
の奨励金が過去8ヶ月に渡ってドイツ人を自動車大好き人種へ変貌させたこと
になる。

アンゲラ・メルケルも思わず突然ジョン・メイナード・ケインズの信奉者にな
った。ドイツではケインズの名前はずっと聞かれなかった。それは、国家が景
気を左右することができるとする理論が、CDUやCSUの考え方と異なるか
らだった。

しかし、この特別奨励金が景気へ影響を与えたように見える。1月には、どの
自動車メーカも大問題の到来を覚悟していたが、たった一晩のうちにその不安
が杞憂だったことに気づく。それどころかフランスや米国でも同様の制度が導
入された。

ドイツ政府はこの特別奨励金で時間稼ぎをしたのだ。人心を変化させ、倹約家
だったドイツ国民を買い物好きにした。

世界中で30%の設備過剰が自動車産業の実態であり、特別奨励金制度に警鐘
を鳴らす専門家もいる。
特別奨励金が一時的に経済危機を救ったのは事実であるが、本来の自動車産業
が抱える問題を解決したわけではなく、今後真実の姿が鮮明に現れることにな
る。
大いなる幻想の時代は終わった。


事実なんだろうが、結構厳しい指摘ではある。





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