2009年10月30日金曜日

戦争と平和 -平和な中で戦地のことを論じられるか-

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            ◇ドイツ時事ジャーナル◇ 

                 第24号

           2009年10月30日(金曜日)


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【今日の記事】
Luftangriff auf Tanklaster: Bundeswehr sieht sich durch Nato-Bericht
entlastet


Der tödliche Luftangriff auf zwei Tanklaster in Afghanistan hat
die Bundeswehr in die Kritik gebracht - jetzt fühlt sich die Armeeführung
entlastet. Ein Untersuchungsbericht der Nato habe die Vorwürfe gegen
den Oberst entkräftet, der den Schießbefehl gab, sagte Generalinspekteur
Schneiderhan.

2009-10-29 21:53
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【訳例】
タンクローリー空爆:連邦軍はNATO報告に安堵感

アフガニスタンで2台のタンクローリー空爆で死亡者が出たことは、連邦軍を
窮地に陥れた。ようやく軍上層部は安堵した。NATOの調査報告により射撃
命令を発した大佐に対する疑念が晴れたと調査団長シュナイダーハンが発言し
た。


【補足解説】
NATO報告はこれまで極秘扱いされていたが木曜日になって調査結果に対す
るコメントが発表された。正確な被害者数は明らかにならなかったが、各種情
報から17から142名が死亡したと発表された。

報告によれば30から40名の民間人死亡者が含まれている可能性がある。た
だし、空爆で無関係の民間人が死亡したことの証明というわけではない、と述
べている。民間人が死亡したという報告の内容に対し、一般および米国を含む
NATO加盟諸国から批判が出ていた。

NATOの調査報告により連邦軍の疑惑は晴れた。

シュナイダーハンはこの件が他と無関係に考えられるべきではないと言ってい
る。数ヶ月前にクライン大佐の管轄地区でISAFに対する激しい攻撃があっ
た。8月末までに6台のトラックとタンクローリーが攻撃に利用され、大きな
被害を被った。7月以降幾度かドイツ再興部隊に対する同様の攻撃が計画され
ているとの情報があった。

クライン大佐は、9月4日にドイツ軍基地の付近にタリバンが隠していたタン
クローリー2台を爆撃するように米国空軍に要請していた。タリバンがタンク
ローリーを爆弾として利用することを恐れていたのだ。

アフガニスタンのハーミッド・カルザイ大統領が派遣した調査団は、9月半ば
に爆撃によって30名の民間人と69名のタリバン兵士が死亡したと報告した。
調査団は、本件の責任は明らかにタリバン側にあるとしている。調査結果を受
けて、カルザイは攻撃は間違いであったと表明したが、同時にドイツを擁護し
た。「ドイツはアフガニスタンの民衆を守るためにここにいる。」

攻撃は外国でドイツに対する強烈な批判をもたらした。国内でも攻撃の正当性
についての議論がなされた。メルケル首相は性急に結論付けることを警告を発
している。

NATO報告には触れずに退任するユング防衛相は、後任のグッテンベルグに
クライン大佐を擁護する旨伝えた。ドイツ国の要請を受けて活動する兵士が連
邦検察の調査に撹乱されるべきではない、また、明確にそれはクライン大佐に
対しても同様であるとユング防衛相は発言した。

反対の意見の主なものは以下のとおり。
SPIEGEL誌の報告によれば、クライン大佐は規則違反しているとのこと
である。タンクローリーの空爆を独断専行で民間人への事前警告もなく実施し
た。それは自軍が陸上で敵との接触があったときだけに限ってできるはずのこ
となのだと。

緑の党の議員代表ユルゲン・トゥリティーンはNATO報告に対し、ユング防
衛相の修正や表面を繕うやり方は止めるべきで、新防衛相のグッテンベルグは
連邦議会と一般に対し、如何にして人的・政治的災害に至ったのかを正直に公
開し、将来同様のとんでもない誤審が起きないようあらゆる手段を講じるべき
だと発言した。

兵器削減政策に詳しい左翼党のインゲ・ホェーガーは、連邦政府も連邦軍も報
告の内容を受けて死亡した民間人の家族に謝罪するなどの行動を取らないこと
に遺憾の意を表明した。ドイツはアフガニスタンで戦争を遂行中で、それは政
治的に望まれていることである。民間人の被害者はこの政治的決断の結果であ
り、死亡した兵士もまたしかりである。






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